26 T様ご夫婦のSlow Life

移住話は
逆転の発想から
始まったんです

以前住んでいた錦糸町のマンションでは、窓からは東京タワーとスカイツリーが見え、駅にも近くて買い物も便利、特に不満があったわけではなんです。ただ都会は一年中どこに行っても空調管理されていて、自宅でも猫がいたのでエアコンは24時間つけっぱなしだった。そうしたらだんだん体の不調を感じてきて…あるときふと、ずっとそんな暮らしを続けるのは人間らしくないかもって思うようになったんです。それと東京ではどこに行くのにも渋滞があって、移動の時間がもったいないって常々感じていました。千葉や埼玉へゴルフをしに行くことが多く、朝早く出掛けて家に帰るのは夜。スイスイ進んでいる反対車線を眺めながら、逆で暮らしたらどうなのかな?って。移住話は逆転の発想から始まったんです。

まずは資料集めからと、ネットの一括請求をしました。その中でいち早く資料を送ってくれたのがセルコさん。その後メールでのやり取りののち、オーナー様のお宅へご案内して頂くことに。セルコさんは会社のみなさんで出迎えてくださって、仲が良いんだなというのが第一印象でしたね。とくに山梨で、という希望があったわけではないんですが、その日ご案内して頂いた土地が富士山の見える素晴らしい場所!これもご縁なんだろうと素直に受け止め、山梨に移住することに決めました。

セルコさんで建てて良かったと思うところは、やはり暖かいところかな。越してきたのは年末の寒い時。その時は蓄暖だけでは寒く感じて、こちらに来てストーブを2台買ったんです。セルコさんが「最初の1年くらいは湿度や温度が一定しないけど、そのうち馴染んでくるよ」とおっしゃったように、その次の年からは蓄暖1台で家中快適に暮らせるように。ストーブも結局しまったまま(笑) 中古の住宅を購入してリフォームしようと考えたこともありましたが、そうしてたらこんなに快適には暮らせなかったかもしれないですね。あとは地元をよく知っている工務店さんというところも安心しています。ここは別荘地なので近くで工事があるときは寄ってくれたりと、建てて終わりではない関係なのが嬉しいです。

移住するにあたっては自治体が都内に開設した移住窓口に相談したり、セミナーに参加して実際に移住した人の話を聞くなどして情報を集めました。今まで宇都宮や札幌などに転勤していた経験上、地元の人たちの輪に入り、その土地の言葉や習わしなどを教えてもらうのが地域に溶け込むコツでした。移住してきたっていうとみんな親切にいろいろ教えてくれるから、まずは自分から入ろうとする気持ちが大事。何かスポーツをやっていると地域のネットワークに入りやすいですよ。私たち夫婦の場合は20年続けているテニス。鳴沢に移り住んだ時もすぐにゴルフとテニスサークルに入りました。

仕事も生活のためというより、人とのつながりを広げるため。私は若い頃に取った資格を活かして事務職に。主人はゴルフ場スタッフをしながら、FM富士五湖のラジオパーソナリティーもやっています。時には移住経験者として講演を頼まれることも。東京で普通のサラリーマンだったらできなかった、経験やチャンスに恵まれたのは移住したからこそ。新しいことにチャレンジする主人を応援するのが私の楽しみでもあります。山梨で残念といえば…映画館やコンサートホール、ライブハウスが少ないことかな。でも便利はなくなったけど、それよりも得るものが多いと感じています。都会では見上げる事なんてなかった空を流れる雲や星空、四季の草花、野草の種類も詳しくなりましたよ。願っていた人間らしい暮らしができています。山梨は1時間半くらいで都内へ行ける距離だから、今までの友人関係ももっていける。都内へは買い物や、食事や飲みにも行くし、反対に友人たちも良く遊びに来てくれますよ。

移住は、構えずに、気楽に考えて受け入れること。そして少しでも考えているなら、動きだすのは早い方がいいと思いますよ!